- 立ったら載せるで
- 蝉は夏の風物である。私には、借金の夏であった。土から這い上がったまだ幼い茶色の衣が、木目を張ってゆく。中途半端なところでしばらく蠢くようにして身体を揺する。時間をかける。長らくして、ねじきの花が萌えるように白と緑の水々しい幼体が垂れ下がった。
- というのが、私が記憶している蝉の脱皮の所作であった。私の目と鼻の先にある木に突っかかった蝉の抜け殻がある。これをちょいとつまんで柔く取ってやると、上手く壊さず持っておける。私は手のひらに乗せた。はあ、
なんと美しい。 - 本来汚らしいはずなのに、私が借金で飢えているこの時太陽に透かしてみると、これが金色に輝き、焼かれているようであり、肥えた金箔にも見える。からからと風に流されそうになると、茶の水晶のような輝きで、光と影とが混ざり合い乱反射を繰り返した。
- よく子供の頃は母に反対されても、家の隅に飾っていると、それを姉がクシャリと指で包んで粉を散らかしたのを覚えている。懐かしい。もうあの頃は戻ってこない。このごろ私は鬱であった。死にたかった。
- ええやんなんか
- 私は自殺の準備のため、縄と、この蝉の抜け殻を軽く持って最後の夜を過ごすことにした。深く静まった今宵、母の声が思い浮かぶと、少し、生きられる。と迷ってしまってやはり出来ないのであった。
- 私の精神は身体と分離し、宙に浮き、この肉体はまるで蝉の抜け殻のような薄い膜で出来上がっている。何も感じない。
明日もまた、ビービーとやかましく鳴るあの公園の木の下に行ってみるとしようか。借金のことはまた後でいい。 - 私の精神は身体と分離し、宙に浮き、この肉体はまるで蝉の抜け殻のような薄い膜で出来上がっている。何も感じない。
明日もまた、ビービーとやかましく鳴るあの公園の木の下に行ってみるとしようか。借金のことはまた後でいい。 - これで終わりや。お粗末様でした。ちな純文学？になるんかな
- タイトル「年金暮らし」
- タイトルは『蝉』やで
- ワイ純文学大好きマンなんやけどめちゃくちゃ良い
- マ？
- ホンマにええの？？
- 割とガチ。表現が美しくて意味があるのが素晴らしい
- うれしい。ありがとう。
- 地方紙に連載してくれたらちょうどいい
- 報われた気になっちゃう
- 投稿してみますわ
- 24です
- お茶がうまい?
- ありがとう
- ええな
よかったわ?? - 読んで！
- ありがとうみんな！
- 自信持てマジで
- 嬉しすぎる
- つまらん
読んでないんやけど - 自信無かったんだよ
- よんで〜
- 全部の行を1文字ずつ読んだけど教科書みたいな文章ですごいなイッチ
- ほんとうにありがとう…
- 5本くらいしか小説読んだこと無いけどね！
- >>40
それでこれはガチの天才で草 - 好きな作家おる？
- 太宰さん！
- 還暦ぐらいの雰囲気もある
- ありがとう…！中卒なんだよ！
- これ刺青にするわ
- ありがとう、ありがとう
- 読んでくれてありがとう！
- うれしい…！
- グエー嘘なの〜
- ホントに天才なの？？
- >>54
天才やで - タイトルが年金暮らしなんやろ？
- いや、蝉です
- ありがとう、死ななくてすんだよ
- だれかにまとめてほしいなあ
- >>59
急に太宰感だすやん - 今年も夏がくる
- ありがとう、みんな、ありがとう泣
- そうね、今年も、夏が…
- 草、確かにw
- ありがとう、死んでもいいくらいだよ
- 本当にありがとう、救ってくれて
- よく分からんけどええんやで?
- ありがとう。小説読んだほうがいいかな？
- 漫画家に成りたかったんだけどなあ
- これ読んだけどトーマスがゴードンとセクロスするとこ泣ける
- この分ならそんなに読まなくてもいい気がする……
けど他人の芸術観に触れるのは作家として幅が広がるから読んで悪いことは無い - この文章漫画にすんの大変やろな、読んでないんやけど
- 今年の夏は母を甲子園に連れて行くと決めた
絶対、絶対４番打者になる！最後こうしよう
- とりあえず、ありがとう。みんなはどの作家が好き？
- ワイは三島由紀夫が至高
- 草
- いいよねえ三島さん！
- とにかく文章と表現が美しいよな
- イッチは多分鬱だからこれが書けるんやろ、そうなら絶対幸せになるな、全部失うから
- イッチはなんでこの時間に起きてるんや？ちなみにワイは頻尿だからやで
- 私はたまたま、さっき数分で書いて、それをあげようかなっておもったんです
- なんかコテ制限入ってた
- ごめんね！
- 数分でこれは天才で草
- ほんとに数分ですよ！
- ありがとう！
- 嫉妬、ごめん
- 正月だけウクレレ漫談で出てくるあのおっさんみたいな空気感がある
- えーだれ？
- そうです、うつです
- ありがとう！
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